日本の文書を海外で使用する方法(公印確認、領事認証、アポスティーユ)

公印確認、領事認証、アポスティーユは、外国で日本の公文書を使用する際に必要となる手続きです。外国人と婚姻届を外国の役所に提出するときや海外不動産購入や海外で会社を設立するとき、日本の公的な証明書の現地の役所などに提出することがあります。書類を提出するにあたって、公印確認及び領事認証又はアポスティーユの手続きが必要になります。このページでは、公印確認、領事認証、アポスティーユの手続きを福岡の行政書士が解説します。アンカー行政書士事務所は、アポスティーユ認証及び領事認証の依頼を受け付けております。お気軽にご相談ください。

公文書と私文書

公文書とは、市役所や国などの公的機関が作成した文書になります。例えば、市役所で取得できる戸籍謄本や納税証明書などの証明書は公文書です。一方、会社の決算報告書は私文書になります。また、公文書の翻訳文も公的機関が発行していない限り、私文書に該当します。なお、公文書のコピーは私文書扱いになります。

まず、提出が必要な文書が公文書か私文書かを確認しましょう。公文書か私文書で必要な手続きが異なります。

日本の公文書を海外で使用する方法

STEP
公文書に「公印確認」を行う

外務省に送付して公文書に公印確認を行ってもらいます。これにより、日本の公的機関が発行した文書であることが保証されます。

STEP
大使館又は領事館で「領事認証」を行う

公印確認を受けた公文書を日本にある大使館又は領事館に持参又は郵送し、領事認証の手続きを行ってもらいます。

STEP
領事認証を受けた文書を送付

領事認証を受けた文書を現地の提出先に提出しましょう。紛失するとSTEP1からやり直さなければならないため、確実に届く送付手段で現地に送付しましょう。

公印確認

公印確認とは、日本の公的機関(官公署・自治体など)が発行した文書であることを日本の外務省が証明する手続きです。なお、公印確認の手続きは公文書しかできません。私文書に公印確認を行う場合は、事前に私文書を公文書にする手続きが必要になります。外務省に郵送で送付して、公印確認を受けることもできます。

  • 公印確認の対象となる文書:戸籍謄本、住民票、登記事項証明書、印鑑証明書、卒業証明書※1、公証人が認証した文書など
    ※1 公印確認の対象となる卒業証明書は、市立や県立などの公立の学校に限ります。私立の場合は、公証役場での手続きが必要です。

領事認証

領事認証とは、日本国内で発行された公文書が本物であることを日本にある外国の領事が認証する手続きです。領事認証を受けるためには、まず公文書に公印確認の手続きを行わなければなりません。また、大使館でのみ領事認証を行っている国もあるため、どこで領事認証を受けられるか事前の確認が必要になります。

日本の私文書を海外で使用する方法

提出する書類が私文書の場合は、まず私文書を公文書にする必要があります。この手続きを「公証」と言います。公証の手続きは、公証役場で行うことができます。

STEP
私文書を公文書にする

公証役場で私文書を公証して、私文書を公文書とすることができます。

STEP
公文書に「公印確認」を行う

外務省に送付して公文書に公印確認を行ってもらいます。これにより、日本の公的機関が発行した文書であることが保証されます。

STEP
大使館又は領事館で「領事認証」を行う

公印確認を受けた公文書を日本にある大使館又は領事館に持参又は郵送し、領事認証の手続きを行ってもらいます。

STEP
領事認証を受けた文書を送付

領事認証を受けた文書を現地の提出先に提出しましょう。紛失するとSTEP1からやり直さなければならないため、確実に届く送付手段で現地に送付しましょう。

領事認証に関する料金

文書種別報酬額公証役場への手数料大使館への手数料
公文書28,000円(税込)国ごとに異なるため、
別途お問い合わせください。
日本語の私文書50,000円(税込)1通につき5,500円国ごとに異なるため、
別途お問い合わせください。
外国語の私文書50,000円(税込)1通につき11,500円国ごとに異なるため、
別途お問い合わせください。
※郵送代が発生した場合は実費額をご負担いただきます。

アポスティーユ

ハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)を締結している国においては、上記の領事認証の手続きを簡略化することができます。アポスティーユの手続きを行うことで、領事認証を経ることなく、提出をすることができます。なお。福岡にはアメリカ領事館、ベトナム領事館、中国領事館、韓国領事館、タイ大使館の5つの領事館があります。このうちアメリカ合衆国、中華人民共和国、大韓民国はハーグ条約に加盟しており、アポスティーユの手続きを行うことで領事認証が不要になります。

ハーグ条約締結国に提出する場合であっても、提出先の意向により公印確認や領事認証を求められるケースがあります。手続きを行う前に提出先にアポスティーユの手続き又は領事認証が必要か確認をすることをおすすめします。

アメリカ合衆国、中華人民共和国、大韓民国、フィリピン共和国などはハーグ条約の締結国です。一方でタイ王国やベトナム社会主義共和国は、ハーグ条約を締結しておらず、大使館又は領事館で領事認証を受ける必要があります。

アポスティーユの手続きで私文書を

STEP
私文書を公文書にする

公証役場で私文書を認証して、私文書を公文書とすることができます。

STEP
アポスティーユの取得を行う

外務省に送付して公文書にアポスティーユの手続きを行ってもらいます。これにより、日本の公的機関が発行した文書であることが保証されます。

STEP
アポスティーユの手続きを経た文書を送付

アポスティーユの手続きを現地の提出先に提出しましょう。紛失するとSTEP1からやり直さなければならないため、確実に届く送付手段で現地に送付しましょう。

アポスティーユに関する料金

文書種別報酬額公証役場への手数料
公文書8,000円(税込)
日本語の私文書30,000円(税込)1通につき5,500円
外国語の私文書30,000円(税込)1通につき11,500円
※郵送代が発生した場合は実費額をご負担いただきます。