家族滞在

家族滞在とは

家族滞在は、日本で働く外国人の扶養家族のための在留資格です。下記で家族滞在の在留資格について、詳しく解説します。

家族滞在を申請できる人

家族滞在を取得できる人は、扶養を受ける配偶者と子どもです。一方で内縁関係の配偶者や婚姻の実態がない配偶者は、家族滞在に該当しません。同性婚についても家族滞在に該当しません。両親は家族滞在に該当しないため、家族滞在以外の在留資格を取得する必要があります。詳しくは、老親扶養の記事をご覧ください。

家族滞在での在留可否
配偶者
内縁の配偶者
同性婚の配偶者
子ども
両親
養子

家族滞在の要件

扶養者(家族を養う人)の在留資格

家族滞在を申請する場合、夫婦二人ともが「家族滞在」を申請することはできません。夫か妻のどちらかが別の在留資格である必要があります。どの在留資格でもわけではありません。下記の在留資格の場合は、配偶者や子どもの家族滞在は許可されません。

配偶者や子どもの家族滞在が許可されない在留資格
特定技能1号
※特定技能2号は家族滞在可能です。
短期滞在
研修
外交
公用
特定活動
※家族滞在ではなく、特定活動の在留資格が付与される可能があります。

家族を養うことができること

収入が少ない場合や扶養する家族が多い場合は、不許可になる可能があります。本当に養うことができるのかが審査されます。例えば、学生で安定した収入がない場合は、審査は厳しくなります。また、ワンルームに家族4人で住むなど現実的に生活ができないと思われるケースは、不許可になる可能性があります。収入が多くない場合は、養う家族が何人いるのか、生活費はいくらかかるのか、どのように生活していくのかをしっかりと入管に説明していく必要があります。

収入がいくら必要かは、扶養する家族の数によって変わります。収入が少ない場合

配偶者や子どもが扶養を受けていること

配偶者は、扶養者に経済的に依存している状態である必要があります。具体的には、扶養者の収入よりも被扶養者(家族滞在を申請する人)の収入が多いような場合は、扶養していないと見做される可能性があります。家族滞在は、資格外活動許可を得なければ就労できず、許可を受けても週28時間までしか就労できないため、扶養者の収入よりも被扶養者の収入が多くなることは通常ありません。
子どもに関しては親の監護養育を受けている状態である必要があります。就職して経済的に自立しようとする場合は、在留資格を変更しなければなりません。大学進学などで学生生活を続けるなど、成人しても引き続き親の扶養を受ける場合は、家族滞在の在留資格に該当します。

配偶者や子どもとの関係が証明できること

配偶者との結婚は、法律で認められたものでなければなりません。本国が発行している婚姻証明書などで正式に結婚していることを証明します。他国では法律婚として認められている同性婚や一夫多妻婚は、日本で認められていないため、家族滞在の対象としては認められません。また、法律婚が成立していても、婚姻生活が破綻しており、すでに同居してない場合は、不許可になるケースがあります。家族滞在は、家族と同居して日本で生活する在留資格であるため、正当な理由がない場合、上記のように不許可になります。正当な理由としては、大学進学のため親元を離れて下宿するなどです。
子どもについては、出生証明書で親子関係を証明します。養子についても家族滞在を取得することはできるため、養子関係を証明する書類を取得して、入管に提出します。

家族滞在のメリット

中長期の在留資格であること

最長90日までの日本での在留が認められている短期滞在と異なり、家族滞在は中長期の在留資格になります。家族で日本で生活をするなら「家族滞在」を取得しましょう。

一定の制限下で就労することができる。

家族滞在は、就労ができない在留資格です。しかし、フルタイムで働くことができませんが、資格外活動許可を取得すると週28時間までなら就労することができます。資格外活動許可の範囲内で働いた場合、年収100万円から130万円ほどの金額になり、十分に家計の足しになります。

他の在留資格との違い

日本人と外国人が結婚した場合

日本人と外国人が結婚した場合は、配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の在留資格になります。

永住権を持つ外国人が永住権を持たない外国人と結婚した場合

永住の在留資格を持つ外国人と結婚した場合は、永住者の配偶者等の在留資格を取得できます。永住者の配偶者等の在留資格に就労制限はないため、家族滞在よりも自由に就労することができます。

特定活動46号(N1特活)の在留資格を持つ外国人の外国人配偶者の在留資格

特定活動47号(本邦大学卒業者の配偶者等)を申請することになります。

家族滞在が認められにくケース

家族滞在が不許可になるケースとしては、次のようなものがあります。

  • 収入が低い場合
  • 子の年齢が高い場合やこれまで扶養してこなかった場合

 留学生が本国にいる配偶者や子どもを家族滞在で日本に呼ぶ場合、収入を理由に不許可になることがあります。留学中の学費や本人と配偶者や子どもが生活していく資金があるかを疎明していくことが審査のカギになります。

 すでに成人している子どもを本国から招へいする場合も入管の審査は厳しくなります。すでに経済的に自立していると見なされるため、なぜ今になって日本に招へいするかを明確に説明しなければなりません。また、これまで本国に送金などせずに扶養してこなかった場合も就労目的の家族滞在ではないかと入管に疑われて審査が厳しくなります。いずれのケースについても正当な理由があれば、それを入管に説明した方が許可されやすくなることは間違いないでしょう。