技術・人文知識・国際業務ビザ

在留資格 技術・人文知識・国際業務ビザとは

技術・人文知識・国際業務の在留資格は、日本で就労するための在留資格です。従事する業務内容で取得すべき在留資格が決まりますが、技術・人文知識・国際業務は主に専門的な知識や経験を活かして、お仕事をするための在留資格になります。

令和4年6月の統計によると300,045人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本に在留しています。在留資格ごとの構成比でいうと全体の約10%が「技術・人文知識・国際業務」になります。つまり、外国人の10人に1人が「技術・人文知識・国際業務」で在留しています。

「技術・人文知識・国際業務」は、最も一般的な就労できる在留資格だよ。
専門的な知識を活かして働くための在留資格になるよ。
この在留資格を取得するため要件を解説していくよ!

技術・人文知識・国際業務ビザの要件

学歴の要件又は実務経験の要件のどちらか一方を満たしている必要があります。

  • 日本又は海外の大学を卒業している
    • 大学には短期大学も含みます。海外および日本の大学どちらでも一般的な4年制大学でない場合は、学歴要件を満たさない場合があります。
  • 日本の専門学校を卒業している
    • 外国の専門学校は含みません。日本の専門学校を卒業していることが要件になります。
  • 技術・人文知識は10年以上の実務経験
  • 国際業務は3年以上の実務経験

実務経験要件

 「技術・人文知識・国際業務」を取得するには、雇用する外国人が下記の要件を満たしている必要があります。また、外国人が従事する業務内容が「技術・人文知識・国際業務」で認められている範囲内である必要があります。

学歴要件又は実務経験年数

 要件の一つとして学歴要件か実務経験のどちらか一方を満たしていることが求められます。一般的に実務経験で申請する場合は、学歴要件で申請するよりも難度は高い傾向にあります。理由としては、実務経験を証明する書類が手に入らない場合、実務経験の書類を入管が認めない場合があるためです。

実務経験を証明する書類が手に入らない場合

  • 前職の会社がすでに倒産しており、在籍証明書などが発行できない
  • 会社が在籍証明書を発行してくれない

このような場合は、ほかの書類で実務経験を疎明できないか検討する必要があります。提出できる書類は国籍や勤め先などでも異なるので、弊所では依頼人からヒアリングを行い、提出できる書類をそれぞれのケースに合わせて、お伝えしています。

実務経験の書類を入管が認めない場合

  • 提出された書類に疑義がある
  • その実務に携わっていたか疑問が残る

実務経験を証明する書類を提出しても、入管がその書類の信ぴょう性を理由にして認めない場合があります。
また、就労していたことは証明書できても従事していた職務内容が明確でない場合、実務経験としてカウントされない場合があります。例えば、レストランで働いていたことが分かる在籍証明書があったとします。

しかし、料理人として働いていたのか、ウェイターとして働いていたのか、経営者として働いていたのか、どの職務に従事していたのか在籍証明書に記載されていなければ、どのような実務を積んだかが分かりません。なので、在籍証明書を取得するときは、従事した業務内容を記載してもらうのが良いでしょう。

このように実務経験で技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得するには、ハードルが高い場合があります。しかし、しっかりと資料と説明をすれば、十分に実務経験でも在留資格は取得できます。

職務内容と専攻科目の関係性

 専門学校や大学で学んだことと職務内容が関係していることが必要です。

  • 大学で学んだことを職務に活かすことができる。
  • 専門学校の専攻科目と職務内容が一致している。

 学歴要件および実務要件を満たしていない場合は、「技術・人文知識・国際業務」の取得はできません。また、職務内容と専攻科目の関係性があることが求められます。専門学校卒業は大卒よりも専攻科目と職務内容が合致していることが求められます。

大学卒業なら要件は緩くなるというイメージ
専門学校卒でも

報酬に関する要件

 外国人に支払う報酬は日本人と同等以上と定められています。最低賃金を下回っているような場合、許可が下りることはありません。業界や業種によって平均的な給与に差はあるので一概には言えませんが、おおよそ20万円前後であれば報酬に関しては問題ありません。他と比較して賃金が安すぎる場合は、単純労働などを疑われるケースもあります。要らぬ誤解を招かぬように適正賃金であることを入管に説明しておく必要があります。

疑われると審査が長引くので、しっかりと説明できることは説明しておいた方が良いよ。

雇用側に求められる要件

  • 法令を遵守していること
    • 過去に行政指導を受けたことがある場合などは、現在適切に管理運営を行い、法令を遵守していることを述べておく方が無難です。
  • 営業に必要な許認可を取得している
    • 上記の法令遵守と共通していますが、許認可が必要な業種に関しては適切に許可を受けて営業していることが求められます。
  • 事業の安定性および継続性
    • 安定して外国人を雇用することができるか、給与をしっかりと支払うことができるかを審査されることになります。

 会社が赤字の場合は注意が必要です。赤字であるのになぜ新規雇用をする必要があるかを説明する必要あります。ただ、赤字であっても設備投資などで一時的な赤字に陥っているのであれば、それを説明すれば問題ありません。

決算報告書を提出する場合は、しっかりと説明書を付けることをお勧めします。

入管職員も人間なので、書類の読み間違えで不許可になるケースもあります。
要らぬ面倒ごとを避けるためにも申請には万全を尽くしましょう。