永住と交通違反~審査に及ぼす影響は?~

永住を希望する相談者から「交通違反をしたんですが、永住に影響がありますか」と質問されることがよくあります。永住権の取得を目指す方にとって、交通違反は大きな懸念事項となります。審査にどのような影響を与えるのか、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。法律を守り正しく生活していても、不注意などで交通違反をしてしまうこともあります。この記事では、永住申請における交通違反の影響について解説していきます。

はじめに

交通違反をした場合、永住申請に影響はあります。永住の法律上の要件は、①素行要件、②独立生計要件、③国益要件などがあります。交通違反をしている場合、交通ルールを守らない素行が悪い人と判断されて、①素行要件を満たさないとして不許可になる可能性があります。ただし、軽微な違反であれば、永住が許可されるケースもあります。

まずは、どの交通違反をしたかを知る必要があります。交通違反歴があったとしても、永住が許可される可能性があります。

交通違反

交通違反といっても、飲酒運転などの重大な違反から信号無視などの軽微な違反まで様々です。交通違反をした場合、ペナルティとしてお金を国に払うことになります。比較的軽微な交通違反(信号無視、一時不停止など)であれば、反則金としてお金を支払います。一方で重大な交通違反(酒気帯び運転や無免許運転など)をした場合は、罰金としてお金を払うことがあります。同くお金を払う場合でも、反則金としてお金を払っている場合と罰金としてお金を払っている場合で永住申請に及ぼす影響が異なります。

反則金としてお金を払っている場合は、永住申請に及ぼす影響は比較的少ないです。一方で罰金としてお金を支払っている場合は、永住が不許可になるリスクは高いです。

反則金か、罰金かを判断するには、交通違反をしたときに何色の書類を渡されたかで分かります。軽微な交通違反である場合、一般的に青切符と呼ばれる青色の書類が警察から交付されます。一方、赤切符と呼ばれる赤色の書類は6点以上の違反をした場合に警察から渡されます。

酒気帯び運転や無免許運転などの重大な交通違反をした場合、罰金や懲役などで罰せられます。また、一般的に6点以上の交通違反をした場合も、赤切符が交付されて罰金が科せられ、お金を払わなければいけません。

ざっくりとした説明になりますが、赤切符をもらったことがある人は永住許可をする場合、注意をしたほうがいいでしょう。

罰金が科せられた交通違反の場合

罰金が科された場合、永住申請の審査に大きな影響を及ぼします。不許可になるリスクも大きくなります。なぜなら、入管が公表している永住許可に関するガイドラインで、罰金刑や懲役刑などを受けていないことを要件としているからです。

(3)イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

出入国在留管理庁 「永住許可に関するガイドライン(令和5年12月1日改訂)」https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html

反則金が科せられた交通違反の場合

反則金は、比較的軽い交通違反に対して科されます。例えば、信号無視や駐車禁止の場所に駐車した場合に反則金が科されます。反則金は、罰金と異なり、前科として記録されません。ただし、違反については行政処分として記録されます。罰金ほど永住許可申請に影響はないとはいえ、軽微な違反であっても繰り返し行っている場合には、審査に悪影響があります。

罰金や複数回の反則金が科せられている場合のリカバリー

過去に交通違反をしている場合であっても、永住許可が下りる可能性はあります。罰金や反則金を支払ってから数年が経過しているケースでそれ以後に交通違反を起こしていない場合は、永住許可申請を行う価値はあると考えます。
具体的に何年後に申請ができるかは、お客様それぞれの事情によりますので、一概にいうことは難しいです。しかしながら、目安として下記の基準を参考にすることができます。

刑法第三十四条の二で罰金を支払ってから5年を経過した場合は刑が消滅するとされているます。そのため、罰金を支払ってから5年後が目安になります。

禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。

刑法 第三十四条の二
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045

罰金を支払ってから5年後に申請するのが目安。ただ、入管による総合的な判断によるところが大きいため、申請に際しては十分に対策を講じてから申請をすることをおすすめします。

申請書の記載について

永住許可申請には、「犯罪を理由とする処分を受けたことの有無」を記載しなければなりません。入管に黙っておくという選択肢は、最悪の選択なのでやめましょう。永住が取り消しになる可能性もあるため、申請書についてはしっかりと記載しましょう。

免許を持ってない人も注意!自転車の取締りについて

これまでは自転車には反則金が交付されていませんでした。しかしながら、法律が改正されて、2026年ごろまでに自転車にも反則金が適用されることになります。外国人の方でよく自転車を利用している人は、日本の交通ルールを確認して、永住申請のときに問題にならないように日ごろから交通ルールを守りましょう。

追加情報:改正道路交通法が参議院で可決 2024年5月18日

自転車の交通違反に反則金を納付させる、いわゆる「青切符」による取締りの導入を盛り込んだ改正道路交通法が17日、可決・成立しました。信号無視や携帯電話を使用しながらの運転などが対象となり、2年以内に施行されます。

『「青切符」で自転車の交通違反取締りへ 改正道交法が成立』 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452021000.html

2024年5月17日に改正道路交通法が参議院で可決されました。NHKの報道によると政令で反則金の金額などを定められていくとのことです。法律は、「施行」されてから効力が生じます。2024年5月18日時点では、改正道路交通法はまだ施行されていません。そのため、まだ自転車で反則金(青切符)を科されることありませんが、罰金(赤切符)を科されることはあります。自転車の運転には十分に注意をする必要があります。