会社設立 商号のルール

 商号とは、簡単に言えば会社の名前です。法人登記に必ずこの商号を決めなければなりません。必要な商号にはいくつかのルールがあります。そのルールに則って商号を決めていきましょう。

商号に使える文字

商号に使える文字と使えない文字があります。商号に使える文字は次の通りです。

  1. 日本文字(漢字,ひらがな,カタカナ)とローマ字の大文字と小文字
  2. アラビヤ数字(1,2,3)
  3. 符号「&」「’」「,」「‐」「.」「・」

漢字については、常用漢字のほかにも旧字体や異体字も使用することができます。ただし、簡体字や繁体字、ハングル、ギリシャ文字などは使用することはできません。ローマ字で表記された複数の単語の場合のみ、文字と文字の間にスペースを入れることはできます。

使用できる商号の例
〇  ANCHOR株式会社
〇  Anchor株式会社
 〇  ANCHOR office株式会社
〇  12345株式会社
旧字体や異体字については、使用できない文字もあります。
使用できない商号の例
✖  锚株式会社
✖  앵커株式会社
✖  ⅠⅡⅢⅣⅤ株式会社

符号を使用する場合のルール

符号はこれらの6種類のみ使うことができます。「×〇!?@~※」は使えません。また、これらの符号は商号の先頭には使えません。

使用できる商号の例
〇  ANCHOR&ANCHOR株式会社
使用できない商号の例
 ✖  &ANCHOR株式会社

商号に関するその他のルール

なお、登記はすべて全角文字で行われます。半角英数字は使えません。「株式会社」を「K.K.」、「Company Incorporated」、「Co.,Inc.」、「Co.,Ltd.」に代えて登記することはできません。必ず会社の種類に従い株式会社、合名会社などの文字を用いなければなりません。

他の会社と同じ商号は使えない?

 日本の法人は約180万社あるとされています。ご自身が思いついた商号が既に使われている場合もあるかもしれません。会社の登記については、既に登記されている他の会社と同一の「商号」であり、かつ、同一の「本店所在地」である場合には、登記することができません。

同一の商号について

同一の商号であるかは、全体の表記が同じであるかどうかで判断します。例えば、「ANCHOR株式会社」と「株式会社ANCHOR」は、株式会社の前後の位置が異なるため、同一の商号に該当しません。

同一の本店所在地

同じ市区町村内でも、本店の所在地が違えば、同一または類似商号の会社を設立できます。既に登記されている「ANCHOR株式会社」の本店所在地は「福岡市中央区天神1-1-1」と新しく設立する「ANCHOR株式会社」の本店所在地が「福岡市中央区天神1-1-2」であれば問題ありません。しかし、不正の目的をもって、有名企業などと同じまたは類似商号で会社を設立し事業をおこなうことは、法律で禁止されています。また、故意でなくても同じまたは類似商号などの差し止めや、損害賠償を請求されることがあります。また、故意に侵害した場合は、刑事罰を科されることもあります。

国税庁ホームページでは、商号を検索することができます。一度ご自身が予定している商号が既に使われていないか確認してみましょう。

商号は定款に記載しなければなりません。会社設立においても、その後の会社を運営していくうえで分かりやすく覚えやすい商号を考える必要があります。商売をする上でも名前は大切です。焦らずゆっくり思いを込めて考えていきましょう。